コラム

M&A仲介とFAの違いについて

今後、M&Aに関するナレッジや事例などを本コラムでご紹介してまいります。

第一回は、M&A仲介とFAの違いについてご質問をいただくことが多いのでそちらをご説明させていただきます。

 

M&A仲介とFAの違いを理解する:どちらを選ぶべきか?

企業の合併・破綻(M&A)を進める際に重要となるのが、「誰のサポートを受けるか」という点です。M&Aの支援者としてよく登場するのが「M&A仲介会社」と「FA(フィナンシャル)」目的や状況に応じて適切な選択をするために、それぞれの役割や特徴を理解しておきましょう。


M&A仲介とは?

M&A仲介会社は、買い手企業と売り手企業の間に立ち、交渉をスムーズに進める役割を遂行します。

M&A仲介の特徴:

  1. 中立
    仲介会社は売り手・買い手双方と契約をして、交渉を進めます。
  2. スピード重視
    比較的当面で取引を成立させることを重視するため、迅速な案件の進行が期待できます。
  3. コスト構造
    報酬は成功報酬型が主流で、取引が成立した際に手数料を支払います。(一部企業によっては、着手金や中間金などもございます。)手数料率は案件の規模に応じて変動します。
  4. 活用シーン
    中小企業の事業承継や後継者問題の解決を目的とした案件で多く利用されます。

FA(フィナンシャルアドバイザー)とは?

フィナンシャルアドバイザー(FA)は、M&Aの取引に関して売り手または買い手のどちらか一方的に相談してサポートを行います。FAは顧客の利益を最大化することを最優先とし、交渉や戦略を考えております。

FAの特徴:

  1. どちらかへの専属サポート
    売り手または買い手どちらかと契約し、その利益を最大限追求します。
  2. 戦略提案
    論点分析や事業評価、最適なM&A戦略を提案します。
  3. 手厚いサポート
    交渉のサポートだけでなく、デューデリジェンス(企業調査)やPMI(統合後の統合プロセス)に関する助言も行います。
  4. コスト構造
    成功報酬型と固定報酬型があり、プロジェクトの規模や内容に応じて報酬体系が異なります。
  5. 利用シーンは
    大企業や成長企業による戦略的なM&A案件に多く利用されます。

M&A仲介とFAの違いのまとめ

項目 M&A仲介 FA
内容 中立的な立場で両者をサポート 片側と契約を行い、契約者の最大限の利益の追求
実行者 M&A仲介会社、会計事務所等 投資銀行、コンサルティング会社、M&A仲介会社等
役割 経営資源の統合、事業の再編、シナジー効果の追求 M&A戦略の検討、取引交渉の支援、デューデリジェンスの実施等
成果物 新しい組織構造や企業の一体化 取引完了までのスムーズなプロセスの達成

どちらを選ぶべきか?

M&A仲介とFAのどちらを選ぶべきかは、案件の性質や目的によります。

  • 中小企業の事業承継やシンプルな案件
    スピーディーに取引を進めたい場合は、M&A仲介が適しています。例えば、後継者不足の解決や事業縮小のために事業売却を検討するケースでは、仲介会社の利用が有効です。
  • 戦略的な大型事件や複雑な交渉が必要な場合、
    価格や条件の交渉、事業統合後の計画まで手厚いサポートが必要な場合は、FAが適しています。 特に、企業の成長戦略としてM&Aを活用する場合には、FAの専門的なアドバイスが大きな価値をもたらします。

まとめ

M&A仲介とFAは、それぞれ異なる役割と特性を持っています。どちらが適しているのか判断するには、案件の規模や目的、交渉の複雑さをよく考える必要があります。

正しいパートナーを選ぶことは、M&A成功の鍵です。自社の状況や目標に合ったサービスを選び、専門家の力を最大限に活用しましょう。

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