M&A基礎知識

M&Aを検討する経営者の年齢について

1. 日本の経営者の年齢分布の推移

日本では、経営者の高齢化が進んでおり、M&A(企業の合併・買収)を検討する経営者の年齢層も変化しています。特に、中小企業の経営者においては、後継者不在の問題が深刻化しており、事業承継の手段としてM&Aを活用するケースが増えています。
過去20年間の経営者年齢の推移を見ると、以下のような変化が見られます。

  • 2000年: 経営者の年齢分布のピークは「50~54歳」にあり、多くの企業が成長期を迎えていました。
  • 2010年: 企業の後継者不足が徐々に問題化し始め、経営者の平均年齢が上昇。
  • 2015年: 経営者の年齢分布のピークが「65~69歳」に移行し、高齢化が顕著に。
  • 2020年: 経営者の年齢が「60~64歳」、「65~69歳」、「70~74歳」に分散し、75歳以上の経営者も増加。
  • 2023年: 経営者の平均年齢は62.33歳となり、65歳以上の経営者が全体の約40%を占める状況に。

このように、経営者の高齢化が進む中で、「後継者不在」を理由にM&Aを検討する経営者の数が増加しているのが現状です。


2. M&Aを検討する経営者の年齢層と動向

(1) 60歳以上の経営者によるM&Aの増加
日本の中小企業の多くは、創業者が長年経営を担ってきたオーナー企業であり、経営者の高齢化とともに事業承継の必要性が高まっています。特に、60歳以上の経営者の多くが以下のような理由でM&Aを検討しています。

  • 後継者が不在(特に親族内承継が困難な場合)
  • 体力的・精神的な負担が増大(経営を続けることが困難になる)
  • 自社の成長機会の創出(大企業や成長企業と統合することで発展を図る)

現在、日本のM&A市場において最も多いのは、60代・70代の経営者が「事業承継型M&A」として会社を譲渡するケースです。

(2) 50代経営者のM&A活用
50代の経営者は、後継者問題に直面することは少ないものの、「成長戦略」としてM&Aを活用するケースが増えています。特に、以下のような動機でM&Aを行うことが多いです。

  • 事業の拡大(新たな市場への進出、競争力強化)
  • 競争環境の変化への対応(デジタル化や業界再編への対応)
  • 資本提携による安定化(大手企業や投資ファンドとの提携)

この年齢層の経営者は、M&Aを「事業の発展や競争力強化のための手段」として捉え、積極的に活用する傾向があります。

(3) 40代以下の経営者のM&A意識
40代以下の経営者にとって、M&Aは事業承継というよりも「成長戦略の一環」として活用されています。
特に、スタートアップ企業では、M&Aによって大企業との提携や資金調達を行い、事業拡大を加速させるケースが増えています。
また、40代の経営者の中には、MBO(マネジメント・バイアウト)やスピンオフM&Aといった形で、新たな経営の道を模索する動きもあります。


3. 高齢経営者のM&Aが増加する背景

(1) 後継者不在の深刻化
日本の中小企業において、後継者不在の問題は年々深刻化しています。2023年時点で、70歳以上の経営者の約50%が後継者不在であり、今後5年以内に約60万社が廃業のリスクに直面すると言われています。このため、後継者が見つからない経営者がM&Aを選択し、事業を存続させるケースが増えています。

(2) 日本政府のM&A促進策
政府は中小企業のM&Aを促進するために、事業承継補助金やM&Aマッチング支援を強化しています。これにより、M&Aを活用する経営者が増加しています。

(3) M&A市場の整備と活性化
近年、日本ではM&A市場が整備され、専門の仲介会社やアドバイザーが増加したことで、M&Aが身近な選択肢となりました。特に、インターネットを活用したM&Aマッチングプラットフォームの登場により、以前よりも簡単にM&Aの相談ができるようになっています。


4. 今後の展望とM&A活用のポイント

(1) 60歳以上の経営者のM&A増加
今後数年間で、60歳以上の経営者によるM&Aがさらに増加すると予測されています。後継者不在問題が加速する中、事業承継M&Aの需要は引き続き高まるでしょう。

(2) 40~50代の経営者による成長戦略M&A
50~60代の経営者は、今後もM&Aを「企業成長の手段」として積極的に活用していくと考えられます。特に、IT・DX(デジタルトランスフォーメーション)分野での買収・統合が増えると予測されます。

(3) 若手経営者のM&A活用の広がり
40代以下の経営者も、事業拡大や資金調達の手段としてM&Aを活用するケースが増えており、今後さらに一般的になる可能性があります。


5. まとめ

日本におけるM&Aを検討する経営者の年齢層は、60~70代の高齢経営者を中心に、50代の成長志向の経営者、40代以下の若手経営者にも広がっています。

  • 60~70代: 後継者不在の解決手段としてM&Aを活用
  • 50代: 事業拡大・競争力強化のためのM&A
  • 40代以下: スタートアップ・成長戦略のためのM&A

今後も、日本のM&A市場は高齢化や経済環境の変化に伴い、ますます活発化することが予想されます。

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